制作日誌

Ep0にレイチェルとザックが登場します

「殺戮の天使 Episode.0」第5巻が12月27日に出版されます。

この5巻の表紙、見て頂いた方は少し驚いたのではないでしょうか?

そうです。
このビルの成り立ちの物語に、ついに“彼”――ザックの姿が登場します。

 おかしな話ですが、私自身ちょっとドキドキしています。
 というのも……なんだか久しぶりに出会ったような気分になってしまったからです笑。

  

 Episode.0は、現在ほぼラストのあたりまでの物語を書き終えているのですが――久しぶりに相まみえたザックのお話を書くのは、少し緊張しました。

 書きながら思ったことは、レイチェルと出会う前のザックは……他のフロア主同様、やはりどこか本編とはちょっと違う空気を持っているということでした。

 無茶苦茶な性格、行動はあまり変わらないのですが、Episode.1のころを思い出すような鋭さが強く、そしてどこか一匹狼に似た孤独をまとっています。不思議と懐かしくもあり、新鮮な心地で書かせていただきました。
 ここからのEpisode.0でも、そんなザックも含めて、彼ら彼女らの、まだ知らない姿をお届けできるはずです。そのことを、とても嬉しく思っています。

 

 また、私にとっては、(内容こそ過去の話ではありますが)ザックが他のフロア主とやりとりするシーンを描くのは、実は本編ゲームの作成時以来のことでした。

 まさかEpisode.NG以外で、ザックがフロア主たちと、それも一度に(!)話す場面を描く機会をいただけるとは、かつては思ってもみませんでした。笑
 一体、どのようなやりとりや会話をすることになるのか……ぜひ今後の展開も楽しみにしていただけると嬉しいです。


 さて――ザックの登場によって、ビルの空気はここからまた少し変化していくことになります。
 そして、遠くない未来に“彼女”も登場することでしょう。


 Episode.0は、”終わり”が始まるまでの物語です。
 どんどん原作ゲーム「殺戮の天使」の舞台に近づいていくのを、これから皆さまに感じていただけると思います。

 Episode.0の連載が始まった当初から、実のところ過去の物語については、大体の流れが決まっていました。でも、ここまで濃密に書けるとは思ってもいなかったです。この物語は、実際に書いていく中で、再び登場人物の内面や過去に深く向き合うことで、その輪郭が自分の予想を超えて濃くなっていったのです。
 そうなったのには、名束さんの素晴らしいコミカライズの力が引っぱってくれた面もありましたし、もちろん「殺戮の天使」をここまで応援してくださっている皆さまのお陰もあります。


 心からの感謝を込めて、この過去の物語をラストまでしっかりと書き上げ、楽しんでいただけるものをお届けできるよう、これからも精いっぱい頑張ってまいります!

 どうか、この物語の最後までの道筋を、彼ら彼女らと共に、お付き合いいただけると幸いです!