制作日誌

『霧雨が降る森』旧版配信終了のお知らせと感謝

 お久しぶりです。
 星屑KRNKRN、真田まことです。

 『霧雨が降る森』について、皆さんにお伝えしたいことがあります。

 2013年に始まった『霧雨が降る森』の物語は、皆さんと共に今年で11年という時を重ねてきました。
 初めてのRPGツクール作品だったこのゲームは、私にとってかけがえのない存在です。
 多くの方に愛していただき、小説や漫画、グッズなど様々な形で展開できたことに、心から感謝しています。

 さて、そんな『霧雨が降る森』を取り巻く環境にも、少し変化の兆しが見えてきました。
 先日、ゲーマガのスマホアプリ閉鎖に伴い、スマホ版の『霧雨が降る森(旧版)』はプレイできなくなるという話が告知されたと思います。

 私のほうでは、既に一年ほど前から本件はバカー社の担当者さんから伝えられており、色々と考えておりました。

 ゲームマガジンさんとしては――かつては無料でのゲーム配布をサポートする形でしかクリエイター支援が出来なかった時代から、いよいよSteamやSwitchなどでゲーム販売して作家が継続的に活動する支援ができる時代になった中で――スマホアプリでの無料配布は歴史的役割を終えたという判断があったそうです。


 私自身は――今回のことをきっかけに一年ほど考えた結果、「ふりーむ!」での旧版も、ひとまず一旦取り下げようと思うに至りました。
 取り下げる日は、2024年7月26日(金)を予定します。

 ただ、私としては……これは『霧雨が降る森』の未来を見据えた決断のつもりです。

 2022年にSteamでリメイク版をリリースしましたが、あの内容が私の現在の想いを新たに込めた『霧雨が降る森』です。このリメイク版をより多くの方に遊んでいただきたいし、それを『霧雨が降る森』の決定版にしたい……という、作者なりの強い想いがあります。

 もちろん、旧版には初めて作ったゲームという特別な思い入れがあるのは確かです。
 あのおぼつかないドット絵も、実はちゃんとゲームシステムを使いこなせていないところも含め、恥ずかしい気持ちと愛おしいような気持ちでいっぱいです。

 旧版は「無料」ということもあって現在も実況配信なども多いようですが、やはり今となってはプレイしづらい面も多く、私も今後活動をしていく中でサポートを続けるのは困難です。なにより今後、自分が『霧雨が降る森』について話すときに、旧版の内容を前提にして話すことはもうないと思います。

 少なくともそういう現状がある中で、リメイク版よりも手に入りやすい形で旧版が配信され続けているのは、作者としてきちんと向き合った方がいい事柄だと思いました。

 時代と共に変化するゲーム環境の中で、『霧雨が降る森』を通して皆さんの心に届くようなゲーム体験を提供し続けることが作者として私ができる最大の行動だと感じています。
 だからこそ、リメイク版では、プレイした方、未プレイの方含め、より多くの方に楽しんでいただけるよう改良を重ねました。

 11年間、旧版の『霧雨が降る森』を応援してくださった皆さんに心から感謝しています。
 皆さんの支えがあってこそ、この作品は成長し、色々な方のサポートも経て新たな形で生まれ変わることができたと言えるからです。

 ですので――これからも『霧雨が降る森』をよろしくお願いします。この物語が、これからも皆さんの心に残り続けることを願っています。

 皆さんと共に歩んできたこの11年を大切に、これからも創作への思いを絶やすことなく、前を向いて進んでいきたいと思います。

 そして、新たな物語で再会できる日を楽しみにしています。
 今後とも、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。