制作日誌

星の王子さまミュージアムに、「ありがとう」を

 箱根にある「星の王子さまミュージアム」が2023年3月31日を持って閉園するそうです。
 このニュースは大きく流れたので、知っている方も多いと思います。
 コロナ禍による来園者の減少や建物の老朽化などが、理由だそうです。

 私は、このニュースを知った時にとんでもないショックとダメージを受けました。
 「行かなくては……!」と急いで「星の王子さまミュージアム」に向かう計画を立て、ミュージアムの最後の展示エリアでは、恥ずかしいことに少し泣いてしまったほどでした。

閉園のニュースを聞いてから、急いで向かった「星の王子さまミュージアム」。


 閉園まであと10日しかないギリギリの時期にこのブログを書こうと思ったのは……このブログを書くことで、少しでも多くの人に「星の王子さまミュージアム」の素晴らしさを伝えたいという思いが、ふつふつと沸き立ってきたからです。


 ――初めての箱根旅行で立ち寄ったこのミュージアムは、私の心を完全に奪っていきました。
 以降この場所を心から愛することになったのです。

 正直に告白しますと、「星の王子さま」の小説自体は、好きであるものの熱狂的なほどではありませんでした。
 それでも、このミュージアムへは年に一度のペースで足を運びました。

過去「星の王子さまミュージアム」で撮影した写真。


 なぜなら、このミュージアムは作者のサン=テグジュペリそのものを描いたミュージアムだからです。私は他にここまで人物の生涯の始まりと終わりを魅力的に描いた記念館を知りません。

 館内は庭から始まり、サン=テグジュペリの人生を過ごした場所を、ハイクオリティな出来で再現し解説しています。



 幼少期の室内、彼が過ごした数々の職場、時代と共に変わる町並み、戦争の風景――これらがユニバーサルスタジオやディズニーなどのセットのように展示されています。

 サン=テグジュペリの人生を追体験できるほど、このミュージアムはロマンチックで劇的な体験を提供してくれました。そして、彼の作品は『星の王子さま』を含め、全て彼の人生そのものであったことを感じさせてくれるのです。

 いつ、何度行っても、私にとって感動的な体験をさせてくれました。
 ずっと残る価値のあるミュージアムだと信じていたので、今回の閉園は本当に悲しいです。
 ミュージアムの最初に見ることのできる映像だけでも、どうにか残してほしいほどです。


 2023年3月31日に閉園する「星の王子さまミュージアム」。

 もしまだ行ったことがない方がいらっしゃるなら、ぜひこの機会に箱根へ足を運んでみてください。
 ここで得られる感動は、一生の思い出となると思います。

 最後に……私が訪れることのできた「星の王子さまミュージアム」に感謝の気持ちを込めて、心から「ありがとう」を言いたいです。

 サン=テグジュペリの描いた「星の王子さま」の世界は、これから先も多くの人々の心の中で、小さな星の灯りのように輝き続けることと思います。

「星の王子さまミュージアム」のカフェにて