制作日誌

大人はずるいね――。『まいまいまいごえん』コミックスの帯コメントを書かせていただきました!

  

  

「幼い純粋さは、無防備で、やわらかくて。
脆く、いじらしく、あどけなく……そして痛々しい。

大人はずるいね――。
そんな君たちの泣き顔に傷つけられながらも、目が離せない。」

  

  

 サンリオ作品の『まいまいまいごえん』のコミックス第2巻が3月25日に発売されるそうなのですが、なんと……そこに帯コメントを書かせていただきました!

 このブログの読者にはご存じの方も多いかと思いますが、『まいまいまいごえん』は、漫画、MV、ゲームをメインに展開しているサンリオ作品です。「16人の子どもたちと保育士の「心の成長痛」を描いた群像劇。」というキャッチコピーで、2021年11月からプロジェクトが開始しています。

 サンリオの普段の「カワイイ」雰囲気の中に、目を瞠るような衝撃の展開が繰り広げられる物語が面白くて――まさか帯コメントを依頼される日が来るとは思いませんでしたが――私自身もYouTubeにあるMV、そしてカナヲさん(『被虐のノエル』の作者の方ですね!)の連載ゲームなどを追いかけさせていただいてきました。

 可愛く、幼く、純粋な彼らの「心の成長痛」とはなんなのか――残酷ともいえるその鱗片に触れるたび……心がぐっしゃんぐっしゃんに震えさせられる作品となっています。
 帯コメントは、そんなこの作品に対する本当に素直な言葉を書かせていただきました。

 漫画はもちろんのこと、ゲームやMVも本当に素晴らしいので、ぜひ皆さんも『まいまいまいごえん』の世界に触れてみてください。

サンリオの想い出

 今回、こういう光栄なご縁をいただいたのは、私も『殺戮の天使』を連載したゲームマガジンで『まいまいまいごえん』の連載が行われていたことがキッカケですが……せっかくなので、この機会にサンリオのお話を。

 多くの日本人と同じように、私自身もサンリオに、生活の色々な場面で囲まれてきた人間です。


 例えば、私のはじめての文房具セットは、サンリオでした。
 可愛くて上品なお花のイラストと、ワンピースを着たウサギさんの筆箱……そう、今でも覚えています。キャラクターの名前はマロンクリーム
 当時もお気に入りでしたが、今だにマロンクリームのグッズを見ると「うぅぅ、可愛い」と喉の底から声が出ます。

 マロンクリームの他には、けろけろけろっぴと、バッドばつ丸が大好きでした。
 特にばつ丸の目つきの悪さと愛嬌には惹かれて、かなり熱を上げていた覚えがあります(余談ですが、以前ゲームマガジンの担当者さんに「バッドばつ丸が好き」と言ったら、「まあ、真田作品の男性主人公そのものですからね……」と言われました)。

 念願のピューロランドに行ったときには、本当に嬉しくて、大人なのにはしゃいでしまったほどです。

ばつ丸のラーメン、大喜びで頼んだのですが、めっちゃ辛かった……。
でも、これはまさにキャラに本気で合わせにいったということで、こういうのがサンリオのコダワリですよね。

 サンリオには大人になっても、今だに惹かれてしまう可愛さや魅力があるのですよね。私の友人なんて熱狂的なポムポムプリンファンで、自宅がとてもやわらかい黄色にあふれているほどです。

 最近では、Netflixの『アグレッシブ烈子』に、お熱です。こちらも、サンリオ作品としては異色かもしれません。リアルなOLの姿を描きだし、人間関係や現代社会の深いテーマを扱うドラマを配信しています。
(先月、遂にファイナルシーズンが配信されましたね。少しpixivFANBOXの「近況報告」あたりで触れたいな~と思っています)

 この『アグレッシブ烈子』のようなチャレンジングな作品が、最近のサンリオはどんどん増えてきている印象です。

 『まいまいまいごえん』などは――その最たる作品だと思っています。テーマも表現も挑戦的でありながら、サンリオらしくキャラクターへの愛情に溢れている。何よりも、きちんと「多様性」という現代の価値観に、果敢に表現として挑んでいて、本当に熱意を感じる作品です。

 MV、ゲームなどの表現媒体もありますので、ぜひ様々な形で、サンリオの持つ「最上のカワイさ」だけではない、この作品の心掴んで離さぬ魅力にぜひ触れてみてください。