制作日誌

朗読劇来場者全員にサイン色紙を書きます!

 『霧雨が降る森』リメイク版の発売から、もう一週間ほど経ちました。

 プレイいただいている方からの、リメイク内容への驚きと、楽しんでいただけている声をお聞きしています。
 そういったお声を聞くたびに……救われるような心地で日々を過ごしております。

 さて今日は――霧雨が降る森公式Twitterより告知された、朗読劇『霧雨が降る森』の入場特典のお知らせについてです。

 お恥ずかしながら、私の手で一枚一枚、直筆のサインを書かせていただくことになりました!
 また、色紙にはリメイク版リリース後の先日に書き下ろした、シオリと須賀のハンコを押させていただきます。

◆この企画について

 こちらのサイン特典は、リメイク版の開発終盤の頃に、私のほうからお願いをさせていただいた企画です。

 その経緯をお話しすると、大変に申し訳なく、恥ずかしい話をすることになります。

 そもそも今回の『霧雨が降る森』リメイク版のリリースは、本来は早ければ今年の6月頃、遅くとも今年の夏頃にはリリースされる予定のものでした。

 しかし、リメイクにあたって自身で色々と内容を再考をしていく中で、以前の旧版では自分自身にも見えていなかった事柄がどんどん見えるようになっていき、それを演出に反映させていく間に、予定より数ヶ月ほど遅れることになってしまったのです。

 その影響は、宣伝にも現れていたと思います。制作中の内容を報告するために開設された公式Twitterでは、あまり制作中の画面を出すこともできませんでした。仕上がりがどうなるか、不安になっていた方もいるかも知れません。

 また、それ以上に影響を受けてしまったのが、朗読劇です。
 今回の朗読劇は、本当にしっかりとした制作体制で、とても高品質の舞台を制作して下さっています。

 私自身も演劇をしていた経験があるのですが、舞台の興業というのは予算の面でも制作の面でも、本当に大変です。今回の朗読劇は、やはりリメイク版がもう少し早くリリースされて、この時期にはもう少し『霧雨が降る森』という作品が盛り上がっているという見込みで、企画されていたものだと思います。

 私自身は今回のリメイク版を、待っていただいたファンの方に応える内容にするべく最後まで制作をしたのですが……そのことが今回の素晴らしい朗読劇を準備して下さっている方々に、主に宣伝の面でとても申し訳ない影響を与えてしまったと思っています。

◆9年間の感謝

 それと同時に、今回のリメイクの制作中にも本来は、このブログではもっと制作風景を出しながら、ずっと9年間この作品を好きでいてくれた人たちに、感謝を伝えていくような文章を書きたいと思っていたのですが、リメイクの膨大な作業に追われてその時間もあまり取れずに、リリースに至ってしまいました。

 そこも心残りになっており、今回の色紙を通じて、少しでもその気持ちを伝えられたら……と思ったのでした。

 まとめると――

 ゲームを楽しみに待って下さっていた皆様に、感謝を伝えたいという気持ち。
 いろんな準備してくださっていた朗読劇チームの皆様に、なんとか報いたいと気持ち。


 その二点から企画を提案させていただきました。

 そして、なによりも――多くの人に朗読劇を見に来て欲しいという気持ちもあります。

 九年間という年月は、インターネットやそこから発信されるゲームを取り巻く環境を変えてきました。作品だけの力では、叶わないことも多くなっています。

 そんな今、九年も前に一度発表された作品がメディアミックスという形で朗読劇をしてくれることは、実際のところ――本当に奇跡のような出来事なのです。

 自身の作品はメディアミックスに恵まれる経験が多かったので、ファンの方々には作品の周囲でこういう出来事が起こるのは「当たり前の話」と感じられている人も多いのかもしれません。でも実際には、全くそうではありません。今回の企画も作品のことを好きになってくれた少数の方たちの力添えで、なんとか成り立っている企画です。

 作品がこれから残り続けるため、いろんな楽しみを皆さんと分かち合い続けるために、ぜひ、この時間を一緒に共有していただきたいです。なのでどうか『霧雨が降る森』を好きでいてくださる皆様、そして、これから好きになる皆様の、来場という形での力添えをいただけると幸いです。

 こういう強めの宣伝は、これまで私のほうからは発信してこなかったのですが、今回は私自身の制作の遅れが招いたこととして、呼びかけなければいけないと思っております。

 シオリや須賀、佐久間や望月巡査、リメイクで登場する阿座河村の人々との時間をできるだけ、長く皆さんと過ごせることを……心より願っております!